お祈りや服装について

マレーシアは日本と同じアジアとは言っても、国の宗教がイスラム教である事から、独特の文化や習慣を持っています。

一日に何度もあるお祈りの時間。 毎日、決まった時間になると、どこからともなくお祈りの歌である「コーラン」が聞こえて来る訳ですが、ここに来た当初は気になって気になって仕方なかったのを覚えています。

特に、夜の8時半から9時の間に行われるお祈りに関しては、丁度、子ども達を寝かしつける時間に重なっていたので、「迷惑だなぁ~」なんて思ってました。 そんな「コーラン」ですが、今では、子守唄の様に聞こえる様になってきたから不思議です。

尚、毎日必ず決められた時間に流れるので、時計を見なくても、「あ~もうすぐ6時か…」みたいな感じで、時間を教えてくれる有り難い存在になる事もあります 「慣れって凄いなぁ~」とつくづく思います。

次に、イスラム教についてですが、私が感じるのは、「お祈りの時間等の決まり事や禁止事項が多くて大変そうだな」という事です。 まず、飲酒と豚肉の摂取を禁じられていると言う点についてお話しします。

まず、豚肉は触ることすら出来ないらしく、豚肉専門店や専用ブースのレジやデリでベーコンやハムを取り扱う人はインド系や中華系の人しか居ません。

以前、レジに人が居ないからという理由で、他のレジに豚肉製品を持って行ったら、露骨に嫌な顔をされたり、豚肉を床におかれてしまった事さえあります(多分、専門ブース以外のレジ台に豚肉をのせる事が出来ないから?)。

こちらとしても、同じだけ不愉快な気分なんですけども、それは、仕方のない事なんです。 また、飲酒についても大変厳しく取り締まっているらしく見つかると高額な罰金のみならず、収監される事まであるのだとか。

ちなみに、この国には「宗教警察」という警察が存在していて、こういったイスラム教の禁止事項に違反している人を取り締まっています。凄い徹底ぶりで驚きました。

そして、服装についてですが、イスラム教では、女性の肌の露出を禁じているので、出来る限り露出を控えた服装でなければいけません。

年中常夏のマレーシアですが、例え蒸し暑い炎天下であっても、頭からすっぽりとサリーをかぶり、長袖、長ズボン、もしくはロングスカート等で肌を覆い隠しています。 大半の女性は顔だけ出した状態でサリーをまとっていますが、中には、全身真っ黒で、目しか出していない女性も居たりして、ギョッとした事もありました。

我が家の5歳の娘は「どうして、あの人達はあんなのかぶっているの?」と私に聞いてきた事がありました。娘は明らかに帽子とは違うことが、何となくわかった様です。そのとき、困った私は「きっと、この国のおしゃれなんじゃないかな?」と応えたのでした。

子どもにとっては難しい宗教の違いですが、見た目には違いが何となくわかってしまうんでしょう。素直に不思議に感じる様です。

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